YASKAWA DX100
TCP機能操作説明書
この取扱説明書は、最終的に本製品をお使いになる方のお手元に確実に届けられるよう、お取り計らい願います。
MOTOMAN 取扱説明書一覧
MOTOMAN-□□□取扱説明書
DX100 取扱説明書
DX100 操作要領書
DX100 保守要領書
「DX100操作要領書」は、
用途によって異なります。
必ず、用途を確認してください。
株式会社安川電機
HW0485467
DX100
ii
DX100 iii
HW0485467安全上のご注意
ご使用(据え付け、運転、保守点検など)の前に、必ずこの説明書とそ
の他の付属書類をすべて熟読し、機器の知識、安全の知識そして注意事
項のすべてについても習熟してから、正しくご使用ください。
本説明書は、安全注意事項のランクを「危険」、「注意」、「強制」、「禁止」
に区分して掲載しています。
なお、「注意」に記載した事項でも、状況によっては重大な結果に結びつ
く可能性があります。いずれも重要な内容を記載していますので、必ず
守ってください。
「危険」と「注意」には該当しませんが、ユーザーに必ず
守っていただきたい事項を、関連する個所に併記していま
す
HW0485467
DX100
iv
DX100
v HW0485467
本書でよく使用する用語についての定義
「MOTOMAN」は安川電機産業用ロボットの商品名です。
MOTOMANはロボット本体「マニピュレータ」とロボット制御盤本体
「DX100」と「DX100プログラミングペンダント」及び「給電ケーブル」
から構成されています。
本書では、これらの機器を以下のように表記します。
機器本書での表記
DX100制御盤DX100
DX100プログラミングペンダントプログラミングペンダント
マニピュレータ~DX100間ケーブル給電ケーブル
HW0485467
DX100
また、プログラミングペンダントのキー、ボタン、画面の表記について
は以下のように表します。
操作手順の表現についての定義
操作手順の説明において、「**を選択」という表現は、対象項目にカー
ソルを移動させ、選択キーを押す、またはタッチパネルを用いて画面を
直接タッチして項目を選択するという操作を表します。
vi
DX100目次
vii HW0485467
1 TCP機能...........................................................................1-1
1.1 ジョブの作成方法............................................................1-2
2 命令の登録..........................................................................2-1
2.1 TCPON命令.................................................................2-1
2.2 TCPOF命令.................................................................2-4
3 TCP機能の使用例...................................................................3-1
3.1 マニピュレータ2台システムでの使用例........................................3-1
3.1.1 個別補間動作(MOVx + MOVx)の場合 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3-1
3.1.1.1 ジョブ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3-2
3.1.2 協調補間動作(SMOVx + MOVx)の場合. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3-3
3.1.2.1 ジョブ. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3-4
4 命令一覧............................................................................4-1
HW0485467
1 TCP機能
1TCP機能
TCP(Tool Center Point)機能とは、あるツールでティーチングした軌跡
を、別のツールで動作させる機能です。
複数のツールに同一軌跡を動作させるときに便利です。
例えば、以下の図のような塗装用途のシステムで、下塗り用ガンと上塗
り用ガンの二つのツールを取り付けます。
下塗り後、上塗りをする場合、どちらか一方のツールでティーチングす
ると、もう一方のツールでのティーチングは必要ありません。
1.
2.
1-1
1 TCP機能
1.1 ジョブの作成方法
1-2HW0485467
1.1ジョブの作成方法
ツールAでティーチングした「ジョブA」をジョブコピーして、「ジョブB」とします。
「ジョブB」内の、ツールBに動作させたい区間の前後にTCP命令を追加します。
TCPON命令には、ツールBのツールファイル番号を設定します。
2 命令の登録
2.1 TCPON 命令2-1
HW04854672命令の登録
2.1TCPON 命令
TCP 機能開始命令です。
TCPON 命令が実行されると、指定したツール番号が教示軌跡を動作します。
1.
アドレスエリアにカーソルを移動2.TCPON 命令を登録したい行にカーソルを移動
3.[命令一覧]を押す
–命令一覧ダイアログが表示されます。
–カーソルが命令一覧ダイアログに移動し、アドレスエリアのカーソルは、アンダーバーになります。協調システムで、マニピュレータの指定(RB1
~8)を省略
した場合、スレーブ側マニピュレータのTCP 機能を実行し
ます。
2 命令の登録
2.1 TCPON命令
2-2HW0485467
4.TCPON命令を選択
–TCPON命令が前回登録した時と同じ付加項目で、入力バッ
ファラインに表示されます。
5.再度[選択]を押す
6.詳細編集画面でツールファイル番号を設定
(1)ツールファイル番号(0~63)を指定します。
(2)カーソルをファイル番号上に移動させ、[選択]を押します。
(3)数値キーによりツールファイル番号を入力し、[エンタ]を押
します。
HW0485467
2 命令の登録
2.1 TCPON命令
7.[エンタ]を押す
(1)設定した内容が、入力バッファラインに表示されます。
(2)再度[エンタ]を押すと、設定した内容がジョブに登録され
ます。
2-3
2 命令の登録
2.2 TCPOF 命令2-4
HW04854672.2TCPOF 命令
TCP 機能終了命令です。
TCPOF 命令が実行されると、TCP 機能が終了して、動作ツールが教示ツールに戻ります。
1.アドレスエリアにカーソルを移動
2.TCPOF 命令を登録したい行にカーソルを移動
3.[命令一覧]を押す
–命令一覧ダイアログが表示されます。
–カーソルが命令一覧ダイアログに移動し、アドレスエリアのカーソルは、アンダーバーになります。
4.TCPOF 命令を選択
–TCPOF 命令が前回登録した時と同じ付加項目で、入力バッファラインに表示されます。協調システムで、マニピュレータの指定(RB1
~8)を省略した場合、スレーブ側マニピュレータの
TCP 機能を終了し
ます。
HW0485467
2 命令の登録
2.2 TCPOF命令
5.[エンタ]を押す
–入力バッファラインに表示された内容がジョブに登録されま
す。
2-5
3 TCP機能の使用例
3.1 マニピュレータ2台システムでの使用例
3-1HW0485467
3TCP機能の使用例
3.1マニピュレータ2台システムでの使用例
3.1.1個別補間動作(MOVx + MOVx)の場合
1.図Aのように、ツール0とツール1をティーチングしたジョブ
を作成します。
2.TCP命令で、ツール0、ツール1からツール2、ツール3にそれ
ぞれツールを替えて動作させます。
図Bのように、ツール2、ツール3は、ツール0、ツール1と全
く同じ動作をします。
図3-1: 図A
図3-2: 図B
HW0485467
3 TCP機能の使用例
3.1 マニピュレータ2台システムでの使用例
3.1.1.1ジョブ
? ティーチング時のジョブは、以下のようになります。
実行すると、ツール0、ツール1が動作します。
0000 NOP
0001 MOVL
+MOVL
0002 MOVL
+MOVL
0003 MOVL
+MOVL
0004 MOVL
+MOVL
0005 END
? TCP命令を追加したジョブは、以下のようになります。
実行すると、ツール2、ツール3が動作します。
0000 NOP
0001 TCPON RB1 TL#(2)
0002 TCPON RB2 TL#(3)
0003 MOVL
+MOVL
0004 MOVL
+MOVL
0005 MOVL
+MOVL
0006 MOVL
+MOVL
0007 TCPOF RB1
0008 TCPOF RB2
0009 END
3-2
3 TCP機能の使用例
3.1 マニピュレータ2台システムでの使用例
3-3HW0485467
3.1.2協調補間動作(SMOVx + MOVx)の場合
1.図Aのように、マスタ側のツール1でティーチングしたジョブ
を作成します。
2.TCP命令で、マスタ側のツールをツール1からツール2に替えて
動作させます。
図Bのように、マスタ側のツール2がツール1と全く同じ動作を
します。
? スレーブ側の動作は変わりません。
? マスタ側のツール2の位置が、ツール1でティーチングした位置に
変わります。
図3-3: 図A
図3-4: 図B
HW0485467
3 TCP機能の使用例
3.1 マニピュレータ2台システムでの使用例
3.1.2.1ジョブ
? ティーチング時のジョブは、以下のようになります。
実行すると、ツール1で動作します。
0000 NOP
0001 SMOVL
+MOVL
0002 SMOVL
+MOVL
0003 SMOVL
+MOVL
0004 SMOVL
+MOVL
0005 END
? TCP命令を追加したジョブは、以下のようになります。
実行すると、ツール2で動作します。
0000 NOP
0001 TCPON RB2 TL#(2)
0002 SMOVL
+MOVL
0003 SMOVL
+MOVL
0004 SMOVL
+MOVL
0005 SMOVL
+MOVL
0006 TCPOF RB2
0007 END
3-4
4 命令一覧
4-1HW0485467
4命令一覧
〈〉内は、数値や文字などのデータを示します。
付加項目のうち、一つの枠内に複数個あるものは、そのうちどれか1個
を選択して使用します。
TCPON
(ティーシーピー?オン)機 能 TCP機能を開始する。
付加項目 TL#(〈ツールファイル番号〉)
RB1~8省略すると、スレーブ側が
TCPを開始する。
使用例TCPON RB1TL#(1)
TCPOF
(ティーシーピー?オフ)機 能TCP機能を終了する。
付加項目RB1~8省略すると、スレーブ側が
TCPを終了する。
使用例TCPOF
TCPOF RB1
株式会社YASKAWA 安川電機
本製品の最終使用者が軍事関係であったり、用途が兵器などの製造用である場合には、「外国為替及び外国貿易管理法」の定める輸出規制の対象となることがありますので、輸出される際には十分な審査及び必要な輸出手続きをお取りください。
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当社代理店もしくは、上記の営業部門にお尋ねください。2009年 2月 作成 09-2
C 資料番号
DX100
TCP 機能操作説明書