日本のビジネスマナー
~ 「報 ? 連 ? 相」 ~
今、日本で仕事をされている皆さんは、母国と日本の会社を比べてみて、ビジネスマナーの
違いに気がついたことはありませんか?礼儀と作法を重んじる日本のビジネスマナーは、初めて日本で仕事をされる皆さんにとっては、ちょっと理解が難しいものもあるでしょう。
今回は、仕事を進めていく上で、最も基本的なことを紹介します。
日本で仕事をする上で、よく耳にするのが「報?連?相」です。これは、日本語の「報告」「連絡」「相談」
を野菜の「ほうれん草」にかけて、覚えやすいしたものです。日本の会社では、個人が自分の裁量で
仕事を進めることは少なく、同僚と協力しながら作業をしたり、上司からの指示を受けて仕事を行うことが一般的です。上司や同僚と上手く仕事を進めるためには、仕事について逐一状況を「報告」し、情報を「連絡」して共有し、わからないことがあれば「相談」することが必要です。
「報?連?相」を行うことで得られるメリットは、
①仕事の問題点、結果などを知らせることで、指示された仕事の進行状況を伝えることができる、
②作業の方向性の確認、効率的に作業を進めるためのアドバイスや指示を得ることできる、
③情報整理の方法を学ぶことにより、自己中心的考え方を正して、チームワークを向上することが
できる。ということが挙げられます。
そのため、以下のような役割をもつ「報?連?相」を正しく行うことが求められます。
○「報告」:指示された仕事が完了した時、仕事の進み具合を伝える時、問題が発生した時、ミスをして しまった時。上司から聞かれる前に自分から報告することが大切。
○「連絡」:仕事について上司や同僚と情報を共有する時。数字や名前を間違えないように正しく伝える ことが大切。
○「相談」:仕事の進め方がわからない時、うまく進まない時。上司や同僚の助言や意見を聞き、
勝手な思い込みや勘違いで仕事を進めてしまうことを防ぐ。相談を持ちかける相手が忙しくない時に 「今相談しても良いですか?」など、相手の立場を考えて話すことが大切。
仕事では限られた時間の中で、自分の役割の成果を上げることも大切ですが、日本の会社では
上司や同僚と信頼関係を築き、協力して仕事を進めようとする姿勢が求められます。あまり自分の仕事に没頭しすぎると、周りから「あの人は何をしているのだろう?」と思われてしまいます。「報?連?相」を
確実に行ない、周囲に安心感を与えることが自分自身への信頼を得ることにつながります。「最近、
なんだか会社の人とうまくいっていないな……」と思う方は、明日からぜひ「ほうれんそう」に
トライしてみてください。例え言葉がうまくできなくて失敗しても、自分から行動したあなたの気持ちを、
周りの人はきっと見ていてくれるでしょう。